絵画に国境はある。バングラデシュから来日して30年、その間に60数回の作品発表を経ながら、一貫して詩画一体の宇宙を展開し続けるカジ・ギャスデイン氏。日頃から日本語のような絵を描きたいと述べて、私小説風絵画とでも呼ぶべき境地にたどり着いた吉武研司氏。カジ氏の個展会場を訪れた吉武氏が、10年前のバングラ訪問の際の体験をもとに、聞き手となって、カジ・ギャスデインの原点を探り当てる。