第16回VOCA賞に輝いた三瀬夏之介の、初期から最近作まで含めた大々的な個展が、佐藤美術館で開催された。70年代生まれ作家の中でも注目を集めている三瀬夏之介は、正攻法な日本画の範疇にはおさまらない創作に果敢に取り組む。豊穣なイメージが天地左右重複と縦横無尽に増殖し、時間軸も過去・現在・未来を絶えず振幅しているような表現だ。今回は佐藤美術館学芸部長の立島惠氏がインタビューアーとなり、三瀬作品の生まれる背景をあぶり出す。