バタイユ的エロティシズム、グロテスク、レトロ感覚といった要素を含みつつも図が複雑にならず分かりやすさを重要視する現代の「絵画」は、漫画、アニメーションといったサブカルと区別がつかないほどイラストチックなキャラクターが主題となる場合が多い。松永賢が描く少女達と動物の瞳から放たれる光は見る者を包み込む点で、これらと一線を劃すのである。