第36回 吉武研司 生命の祝祭
「自分のなかのいちばん優しいものが表現でき、それがさまざまに伝わってくれればいい」として、新都営地下鉄13号線北参道駅への陶板壁画を制作中の吉武研司さんである。完成は来年6月だが、ここにいたっての脱皮、開眼ともいえる境地がいかんなく発揮された作品となる。それは吉武さんにとって、これまでの自分のなかのいちばん身近なものの掘り下げである「絵日記」の連作の次にくる、より根源にあるものの発見と再認識に裏打ちされた自在な展開の開幕を物語っている。そうした新作の個展「八百万の神々」会場で、がばい(すごい)この作域にいたった経緯などを話してもらった。
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