杉浦康益の作品は、「やきもの」だと謳われた美術館での展覧会よりは、「大地の芸術祭」や建築など、ごく一般の人の目に触れる場で展示されることが多くなった。しかも、自然の場を巻き込んだスケールの大きさや、積み重ねるピースの厖大さ、そしてときに不思議な巨大さからくる面白さは、素材がやきものであることを忘れさせる。その必然性すら失いそうだが、杉浦にとっては自らが「やきもの屋さん」でなければ表現できないものだと言う。