2007年度の「Sovereignアジアン・アート賞」の大賞を射止めるなど、近年、国内外で注目を集めている町田久美。作品の特徴でもある形体と余白の空間を分断する一筋の線の連続は、実は面相筆の小さな線のストイックともいえる反芻から生まれている。描線主体で表現された町田の作品の主人公はどこかユーモラスでありながら、時にシニカルに現代社会の内奥をあぶり出す。