上條陽子さんがパレスチナの子どもたちに絵を指導して10年になる。それまで「パレスチナ」とは、単に高校時代のクラスにつけられた聖地の名でしかなかったという。長らく忘れていたその名が今、一刻たりとも忘れることのない大きな存在となっている。絵は人間にとって生涯の栄養、時を経ても必ず力となると言い、過酷な生活を強いられる人々に今、この栄養、希望を送り続けている。作品と芸術家の立場についてきいた。