●技法について教えて下さい。
泉谷:技法よりも構図には気を使っていますね。技法は自分より上手い人が沢山いますから。技法については、私はバロックの巨匠達に注目しています。
●日本のシュルレアリストに位置付けられることには、違和感がありますか。
泉谷:私は1970年代から伊藤若冲や琳派を研究しています。琳派の持つシルエットやぬりえ的要素と構成の方法論は私の表現の原点です。〈接吻〉を見て下さい。これは宗達の〈鹿図〉を基にしているのですよ。以前描いたサムホールの作品より今回のほうがより〈鹿図〉に近づきました。こういった丸いシルエットは西洋にはないのです。
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