高橋美江 絵地図師・散歩屋
窪島誠一郎「ある若い画家への手紙」−信州の二つの美術館から−
もぐら庵の一期一印
金井訓志・安達博文
クラウディア・デモンテ
森田りえ子VS佐々木豊
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増田常徳VS佐々木豊
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'Round About


第36回 吉武研司 生命の祝祭

※画像はクリックすると拡大画像をひらきます。   
北参道駅は楽しく明るく元気
●次に、来年2008年6月に開通する都営地下鉄13号線北参道駅を飾る陶板壁画を制作中とお聞きました。どんな内容になるのか、またそのような公共施設への作品提供についての思いをおきかせください。

吉武:この陶板壁画は、僕の最初の陶板壁画である1996年10月完成の兵庫県淡路島の洲本市にある柳学園への「太陽のように」、2005年の順天堂大学附属練馬病院(東京都練馬区高野台)への同名「太陽のように」に続くオープンスペースの仕事です。
 
 
   
   
   
 改札口の前の通路に設置され、陶板約600ピースでつくられます。絶えず往来のある場所なので巻物を想定して、どちらから歩いても晴れということで題名も「晴れのち雨のち晴れ」としました。またこれは世の中の人みんなに対する応援歌なのです。楽しんでもらいたい、明るく過ごしてもらいたい、元気になってもらいたいという気持ちをこめています。そういうコミュニケーションがオープンスペースアートには欠かせないし、そこが面白いところだと思います。作品では宇宙樹を中心に、海があって、川があって、空につながるという命の「共生」と「循環」をひかえ目に意識しています。宇宙樹から昆虫や花などが生み出されつつある状態を、いろいろな思いやもの、文字や数字とともに大胆に、またひっそりと、らくがき風に散りばめています。
 
 
 
 これらをまず子供が見て、ここにカブトムシがいるぞとかトンボがいるぞと声をあげて喜んでくれたら一番うれしい。だれにほめられるより子供やお年寄りや普通の人が反応を示してくれるのが格段にうれしいものです。ですから子供の目の高さを意識しています。中ほどは大人です。一人でも多くの人に少しでもいい気分になってもらい、ここを通るたびに発見があったり、部分を見ても色によって元気が出たという人が現れてくれたならもうそれだけで大成功だと考えています。学校、病院、地下鉄ときましたから、願わくば今度は公園に挑戦したい。ガウディ、イサム・ノグチ、…夢ですね。

●平面作品にしても陶板壁画にしても、みな大らかで博愛に満ちた吉武流ですね。なにかがふっきれ、気負いなく、自然に、素直に、惑いなく生み出されている感じがします。開けたな、然るべき土に根を張ったなと感じます。では、壮大で無限に広がる、心温まるメッセージを秘めた世界をこれからも楽しみにしています。ありがとうございました。
 
 
(2007.6.28 銀座・みゆき画廊にて取材/常盤 茂)  
  

 

吉武研司(よしたけけんじ)
1948年 佐賀県佐賀市生まれ
1976年 東京芸術大学絵画科油画専攻卒業
1978年 同大学院修了
1984年 独立展独立賞受賞(85)
1986年 独立展会員推挙

個展多数・グループ展多数
毎日現代美術展、安井賞展、小磯良平大賞展、青木繁大賞展などに出品。

独立美術協会会員 日本美術家連盟会員
女子美術大学 短期大学部教授
 
●information
■個展「八百万の神々」
2007年8月7日(火)〜8月20日(月)
ギャラリーおいし
〒810-0001 福岡県福岡市中央区天神2-9-212(新天町南通り)
TEL:092-721-6013

■グループ展
AMIGO:2007年7月27日(金)〜8月9日(木)
団塊展:2007年8月11日(土)〜8月26日(日)
ギャラリー憩ひ
〒840-0813 佐賀市唐人1-1-13
TEL:0952-22-2945