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佐々木:ボクシングペインティングについて書いたエッセイの最後のフレーズが猛烈に面白い。「体力さえ許せば1,000メートルだってやってやる。そうすればギネスブックものだろう」
篠原:あの文章はどこから来たかっていうと、NHKの「迷宮美術館」で、ぽかぽかぽかーってやったときに、「僕の絵は右から左に向かっていくから、小品も大作も何もない。カンバスがあればあるだけどんどん行くんだ」TVカメラの前で司会や俳優がきゃっきゃ集まってくるでしょう、そういう時に俺は頭がさえるんだね。これはね、昭和一桁の故だね、戦後のドタバタをやって来てるから、直感があるんだね。それから「僕はアートに半分しか責任を持たない。あとは、見る側の責任だよ」と言ったんだ。逃げなんだけど。でも、実際そうなのよ、見る側の方がもっとインフォメーションがあるでしょ。
佐々木:最後のフレーズが笑ったんだけど、「1,000メートルもやればギネスブックに載る」ってね。
篠原:僕が本当にやりたいのは、パリのポンピドー広場ってあるでしょ、あそこでやりたかったのよ。大道芸人がいっぱいいて、すごく聖地になってるしね。それが僕の夢なのよ。NYにはあんなスペースは無いよね。
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