●今日の「フライト」はいかがでしたか？

私のことをパフォーマンスだと思っていない人がかなりいらっしゃいました。「いくら？」って聞いてくる人もいましたし。「これただなのよ〜」みたいな感じで他の人に私の飲み物を勧めてくれた人とかも、韓国のギャラリストで国際色豊かな会場だと思いました。それに、これがパフォーマンスだと思わなくて、アルバイトと思っていた方がいたところもすごくおもしろかったです。

●通常タニシＫさんは電車の中でパフォーマンスされていますが、会場内でフライトしてみて何か新しい発見はありましたか？

会場の方が知り合いの方もいるので楽な気持ちで出来ました。ただそういうところで私がすごくゆるくなっちゃう部分や、「もう帰ってきたんだ」っていう「おうち」的な感じや、ここだったら今なにかあっても絶対許されるだろうなっていう安心感がありました。電車でのフライトの時は「何かあった場合、全部私が責任取るから」みたいな感じで、私自身が乗客を預かっていると思っているので、そういう意味ではすごく緊張しています。そういうギャップが自分の中にあるのに気がついたのがおもしろかったです。

●フライトを始める前にはどんな創作活動をされていたんですか？

もともと絵画をやっていて、そのあとに版表現や立体をやってみたりしていました。


●そんな創作活動からパフォーマンス主体の「フライト」を始められたきっかけは？

物を作るのはおもしろかったんですが、これを誰かに見せたいな思ったときに、ギャラリーを借りて展覧会をする方法じゃないものをやりたかったんです。それを模索している間に、コミュニケーショ

●「フライト」はいつ頃始められたんですか？

学生時代から始めているので今年で五年目ですね。

●「フライト」中いつも頭にあることは？

なるべく、その人が持っているお話をしていただければいいなと思っています。いつもの状態だと自分を出し過ぎちゃうところがあるので、それを押さえると話が広がってくるようなところや、お客さん側から出てくるような部分が必ずあると思うのでそういうのが出てくると楽しいなと思っています。

●会場でのフライト中はスタッフさんがカメラでタニシＫさんを狙っていましたが、テレビや雑誌にはアピールしないんですか？

私は地道なアート広告塔として一人ずつに対していくやり方で行きたいとと思っているので。メディアに出て行くのはちょっとまだ怖いんです。

●「フライト」は、多くの人にアピールする為ではなくて自分と直接関わる人にとってのものだと。

映像は、パフォーマンスの記録として有効だと思っています。後からの報告とか、こういう物をやりましたっていうことを私から言うために映像を使うのは違うような気がしていて。展覧会以外のところで、（パフォーマンスを見せるのは）電車の中の人メインでいいと思うんです。

●今後はどのような活動をされるのでしょうか？

フライトに関しては、「ああ、こういうことか」と、自分の持っている「なんで？」っていう事が分かるまで続けて行きたいと思っています。そういう中で新作とか入れていこうと考えています。

●９月28日から行われる横浜トリエンナーレに出演されますが。

横浜ではフライトもしますが、会場内でのパフォーマンスがメインです。フライトは、横浜界隈とか市営地下鉄横浜線とかでやりたいと思っています。あと、都内の線全部一度はフライトしたいと思っています。ただ、その駅まで自分の家から車で送ってもらえるならの話ですけど。

−Informationー
タニシＫさんが、9月28日から行われる「横浜トリエンナーレ2005」に出品されます。今回見逃した方もタニシKさんのパフォーマンスに参加できるチャンス。是非、足をお運び下さい。

横浜トリエンナーレ2005公式ページ

タニシＫ（略歴）／Tanishi K
2002　 「蛙展」　Studio BIG ART（横浜）
　　　　「パフォーマンス・ステージ　SUMMIT meeting」　Studio BIG ART（横浜）　　
2003　 「am　プロジェクト」／媒介者たち　vol.4
　　　　「一方通行フライト」　ギャラリーTOM（東京）
　　　　「私のお宝交換プロジェクト」展　すみだリバーサイドホール・ギャラリー（東京）
　　　　「ガール！ガール！ガール！」　東京オペラシティギャラリー（東京）