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辰野隆編『酒談義』(昭和24年・日本交通公社出版部刊)の本表紙(カバー欠)。編者の他に徳川夢声、石黒敬七、寒川光太郎等が寄稿。本文「絵と文」に小野左世男が参加。 |
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この本の巻末に3人による「跋」が付されている。辰野隆の部分(全文)を引用しよう。
固(もとよ)り燈前酒中の芸語にすぎざるも、
及ぶところ、文芸あり科学あり宗教あり哲学あ
り、或は又両性機微の沙汰等形而上形而下両界に
互(わた)つて上騰し下降し、雲を呼んで雨を零
(ふ)らせ、霜を踏んで堅氷到るかと思へば、花
咲ひ鯔(ぼら)躍つて雁南に帰る。如是縁如是相
如是話如是笑!
といった、さすが、名文にして、したたかな粋筆。
この『随筆寄席』、のちに第2集が出ていたことを知る。もちろん入手。奥付を見ると1集目の3ヵ月後の刊行。
装丁は第1集と同じ、かの仏文学者・渡辺一夫(くりかえすが大江健三郎の恩師である)。
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