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昭和23年11月創刊号。用紙は戦後すぐなだけに粗悪だが、表紙に鏑木清方を起用 |
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戦前、戦後の出版文化に少しでもくわしい人なら──「苦楽」──という雑誌名には、すぐに反応するのではないでしょうか。
半可通の私は「苦楽」といえば、敗戦すぐ後(昭和23年11月)に創刊された鏑木清方描く表紙の雑誌しか知らなかった。古書展などの雑本類にまじって、500円とか300円で入手していたのである。
しかし中味は、ほとんど読んでいなかった。というのも、まず100%、状態がよくない。もともと戦後すぐの粗悪な仙花紙に印刷されているので本紙は黄ばんでいるし、ムレもある。買って来ても読む前に、しばらく陽にさらし、ホコリを払わないと手に取る気がしない。 |
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