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戦後「苦楽」の創刊号の扉はプラトン社「苦楽」でデザイン、イラストを担当した山名文夫。まるで資生堂のポスターのようなタッチ。それもそのはず……。 |
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本文扉、おや、この、もうまるで資生堂のポスターのような絵は山名文夫ではありませんか。もちろん、第1期プラトン社版で彩管をふるった山名文夫。
本文に入る。筆頭は里見。目次を追っていけば、つづいて佐藤垢石、秦豊吉、石黒敬七、澁澤秀雄、内田誠、花柳章太郎という戦後活躍する粋人粋筆系の文章が載る。
次に森田草平の「戦犯歌舞伎芝居」と題する、いかにも戦後すぐの、いかにも「アメリカ様」的歌舞伎批判があり、メインの小説陣には久保田万太郎、上司小剣、菊池寛、長田秀雄、白井喬二、加藤武雄、吉屋信子、宮川曼魚、大佛次郎、とつづく。(私は事務所への電車の中で、ひろい読みをし、上司小剣と長田秀雄の作品を読み切ることができました。他は、読了せず。にしても戦後「苦楽」の創刊号を電車の中で読んでいる人間なんてこの半世紀の間で誰もいなかったのでは、と、妙な優越感?) |
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