高橋美江 絵地図師・散歩屋
窪島誠一郎「ある若い画家への手紙」−信州の二つの美術館から−
坂崎重盛 新刊・旧刊「絵のある」岩波文庫を楽しむ
橋爪紳也 瀬戸内海モダニズム周遊
外山滋比古 人間距離の美学
もぐら庵の一期一印
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関東ではもう桜の季節も終わって(今年の桜はことのほか綺麗に咲いているように感じました)、様々な花が咲競い、木々は新緑、まさに春爛漫といったところですね。山形の桜も、やっと満開になりました。北国の春は本当に美しいです。冬が冬らしく雪で真っ白におおわれてしまうぶん、梅も桜も、さくらんぼの花も、ありとあらゆる花々が、いっせいに咲きそろう春は、冬の景色とはコントラストをはっきりとさせて、本当に美しく幸せな気分にさせてくれます。さあこれから、山形の春を満喫するゾ!!




 さて、ついこの前、個展をやっていた僕ですが、性懲りもなくまた展覧会をやっています。「ゲキツー事件」(前回の話参照)などもあったりして、けっこうタイトなスケジュールの中、その展覧会のために新たに加える作品を描いていました。それはMETA展というグループ展なのですが、横浜の山下公園の隣にある神奈川県民ホールのギャラリーをすべて使って、それがかなり広いスペースなのですが、たった11人の作家達の作品だけでやっています。実際、あれだけのスペースを埋めるのは大変だろうなと思っていたのですが、作品のセッティングを終えて会場を歩いてみると、これがなかなか見ごたえのある展覧会で、「おお、けっこうイイじゃない!」と、我ながら心の中で叫んでしまいました。力強い巨大な作品達が会場を埋め尽くしている光景は、なかなか壮観な感じがするし、それぞれの作家が思っていた以上に個性的で、お互いにせめぎあっているような印象を受けたのです。
 ところで、皆さんは『マナ』(註参照)という言葉をご存じでしょうか?これは、芸工大久保田力先生(第7回のひとりごと参照)に教えてもらった言葉なのですけれど、その『マナ』的なパワーを作品達から感じてしまいました。会場を歩いていると、なんだか、元気になってきました。みんなの作品から『マナ』をもらったのかも知れません。
 
   
 META展は、今から10年ほど前、村松秀太郎さんと松本俊喬さんが中心になってできた展覧会で、その当時は毎年7月に日本橋の丸善で展覧会をやっていました。自分達で運営していた会なのですが、数年前に解散してしまいました。それがこの度、若いメンバーだけで再結成して新たに復活することになったのです。20代から30代の作家が中心で動いていて、エネルギーに満ち溢れる「男」だけの会であることと、作家だけではなく評論家もメンバーに入り、酒を酌み交わしながら、しだいに盛り上がっていくというような、男クサイ、少し汗クサイ、明らかに野蛮な感じのする会なのです。

 新生METAのメンバーは、斉藤典彦(作家)、菅原健彦(作家)、竹内 啓(作家)、長沢 明(作家)、中村寿生(作家)、野地耕一郎(評論家)、樋口広一郎(作家)、藤嶋俊會(評論家)、矢沢正文(作家)、梶岡俊幸(作家)、山本直彰(作家)、吉田有紀(作家)と僕、岡村桂三郎(作家)です。
 
   

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