僕はさらにもう一つ重要な、作家達だけの企画で開催しているグループ展に参加しています。それは『目展』という展覧会です。毎年秋に、京都高島屋、なんば高島屋、日本橋高島屋と巡回する展覧会なのですが、一緒に展覧会をやっているメンバーは、伊藤彬、柄澤齊、高橋幸彦、中島千波、中野嘉之、畠中光享、室越健美、森田りえ子、八木幾朗、というものです。ここでは僕が一番年下なのですが、なんとなくアーバンでゴージャスな雰囲気のメンバーです(僕を除く)。そして、『マナ』はここにも有るのです。グループ展をやることの良さは、少なくとも、一緒にやる作家からも作品からも、その『マナ』がもらえることなのかも知れません。若い作家、僕よりずっと大人な作家、エネルギーに満ちあふれた作家、知的な作家、さまざまな才能と身近に接しながら展覧会を築いていくのは、個展をやるのとは一味違う、自分を成長させる面白さが有ります。
『目展』の宣言文が有るので紹介します。
■私たちは同時代に生き、お互いを完全な個人として認めあう精神の自由において『目展』に参加しました。
既成のジャンルや技法上の違いを越えたところで作家が出邂い、所属を離れ、権威に操作されず、利権を求めず、互いに表現を研きあい、高めあう場―そこへの無償のあこがれは、棲む社会がいかに理想を阻もうと、美術家たちの夢として完全に失われたわけではありません。
それぞれの「目」がつくりだす作品が、真っ向からぶつかり合い、刺激しあい、ときに反撥しあって生み出される緊張と解放。そこに私たちが表現したい『目展』の空間があります。
私たちは『目展』の活動が広がっていくことを願い、いっそうの精進をちかいます。
おおッ!!・・・なんだか、カラダジューに!『マナ』が満ちあふれてきた!
・・・・ような気がする。
(註)マナ[mana]:メラネシアの土語〈マナ〉に由来し、非人格的な超自然力、またときとして人格、非人格に関係なく超自然力一般をさすのに広く用いられるにいたった用語。マナは1891年コドリントンR.H.Codoringtonの著作《メラネシア人》によって紹介され、学会に大きな影響を与えた。この語が世界の諸宗教のもつ本質的な性格〈超自然力〉を説明し、理解するのに有効な内容を蔵しているとみなされたからである。マナは神や死霊、祖霊、人間をはじめ、人工物、自然環境や河川、岩石などの自然物に含まれている力であるが、必ずしもそれらに固有の存在ではなく、物から物へと移転しうるとされる。ある戦士が敵を倒せたのは、槍に強力なマナがあったからとされ、酋長がりっぱに役割を果たせるのは、マナを多く所有しているからとされる。したがって人々は強力なマナを獲得するためにさまざまな努力をする。宗教者が超自然力を得るために種々の修行をすることは各地に見られるが、これもマナ観念と関係づけて理解することができよう。
佐々木宏幹
世界宗教大辞典(平凡社)より
【インフォメーション】
岡村桂三郎先生が出品されているMETA展が開催中です。お近くにお出かけの際は、ぜひお立ち寄り下さい!
●META展
展覧会名
META展
会場
神奈川県民ホールギャラリー
横浜市中区山下町3-1
tel:045-6333796
http://www.kanakengallery.com/
会期
2005年4月20日(水)〜2005年5月1日(日)
時間
9:00AM〜6:00PM(最終日は4:00PMまで)
© Copyright 2003 Geijutsu Shinbunsha.All rights reserved.