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少子化によって大学は、全入の時代。大学に入りたいと思う学生は、大学を選びさえしなければ、誰でも大学に入れてしまう。そして、人気のある大学と、それ以外の大学は二極化され、さらに三極化が始まっている時代。三極目に入ってしまった大学は、やがて経営が立ち行かなくなる可能性もあるのです。こういった状況で、地方の私立大学の立場は、当然厳しい。
でもその中、東北芸術工科大学は、地方の私立の、それも美術の大学であるにもかかわらず、どう言う訳か益々元気にやっています。それは、どうしてなのか?一言で言えば、教員や職員たちが、本当に頑張っているからに他ならないのです。そんなことが、骨身に染みて感じられた数年間でした。
去年の春に、洋画コースの主任で現代作家の石井博康先生がこの役目を引き継いでくださったのですが、それまでの数年間、ずっと芸工大の入試部長というのをやっていました。
受験生の獲得のために、西へ東へ南へ北へ、予備校廻りに高校訪問、出張講義に大学説明会と奔走していたのです。北は北海道の札幌、南は熊本まで、受験生がいると言われればどこへでも行きました。
それも、一年中です。まあ、だいたい秋までが勝負ですけどね。だから、例えば夏休みは予備校まわりにあけくれて、制作に没頭することなど、ほとんど考えられませんでした。 |
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