|
さて、このところの出来事の中で特筆するべきことといえば(ちょっと前の話になってしまいましたが)、やっぱり、竹橋の近代美術館で開催していた琳派RIMPA展に出品していたということですね。僕としたら、歴史上の超有名な作家達の名作と同じ会場で、自分の作品(それも十年以上も昔に描いた作品)が一緒に並ぶということは、明らかに相当ヤバイ!できごとで、考えるだけで焦ってしまって、なんだか背中の方でジンワリ汗をかいてしまいました。
ところで、その展覧会の会場を観て歩いていて、あらためて感じたことがありました。それは、琳派が僕達の美意識に与えた影響というのは、驚くべきものであることを、改めて認識させられたということです。さらにそれは、琳派の表現を観れば、僕達はもれなく、それを日本的な表現と感じてしまうということへの驚きでした。琳派的なものが日本的なのか、日本的なものが琳派的なのか、何がなんだかわからないほど僕達は琳派的な美意識のもとに、ステレオタイプな日本的美意識を認識しているのです。なんでこんな当たり前なことに、なんでまた僕は、今の今まで気付かなかったでしょうか。琳派大好きの僕なので、しょうがないことかもしれませんが、知らないうちに、多様な美の宝庫の日本に育っていながら、日本的イコール琳派的、と短絡的に勘違いして信じ込んでしまっているのです。琳派、恐るべしです。 |
|