(つづき)
そういえば、琳派RIMPA展の会場で宗達の風神雷神の複製が売られていたのですが、金箔の空間の部分が少し切り取られていて、宗達特有の緊張感あふれる構成が無くなってしまっていました。光琳も同じ間違いをしていて、あのフォルムのまま、風神雷神の位置を画面の真中にもってきてしまっていて、苦しんでいますね。あれは明らかに失敗ですよね。
ところで、うちのカミサン(奥様)が言ってたことなのですが、あの風神雷神は三十三間堂の風神と雷神の影響で描かれていて、画面の中央部の広々ととられた金箔の部分は、1001体の金色の千手観音からインスピレーションされたものなのではないかと言うのですが、僕もそうであるに違いないと思いました。そういえば、の杉戸絵の有る養源院は、三十三間堂のすぐ隣のお寺だし、もしかすると、白象図があそこに有るということと、風神雷神のイメージが生まれたこととは、何か関係があるかもしれないぞ・・・・・。
風神雷神図屏風(雷神・部分)俵屋宗達筆
江戸時代 建仁寺蔵
風神雷神図屏風(風神・部分)俵屋宗達筆
江戸時代 建仁寺蔵
おっと!この図版も大事な所が切れてますね〜!
尾形光琳「雷神風神図屏風」東京国立博物館蔵
白象図といえば、琳派RIMPA展の僕の白象図の横に養源院の白象図の写真が貼ってあって、「宗達、平成に現わる。」などという解説?が書いてありました。これってやっぱり、赤面ものですよね。正直言って、ぜ〜ぜん、宗達にはかなわない。僕の仕事は無駄が多過ぎて、お話にならないですね〜。宗達の白象図はホントに大好きな作品で、何度も養源院へ行っては、性懲りもなく「いつか、こういうの描いてやる。」と今でも思ってます。
白象図を観ていて何時も思うのですが、宗達の魅力って、その類い稀れなブットサ(太さ)にあるのだと思います。たっぷりしていて、大らかで、力強い。それでいながら、画面にはぎりぎりの緊張感がみなぎっている。スッゲーよなー、宗達って!
白象図杉戸絵 宗達 筆 京都・養源院
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白象図杉戸絵 宗達 筆 京都・養源院
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岡村桂三郎 白象図-1 1989(平成元)年
(賛美小舎:上田國昭・上田克子)
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岡村桂三郎 白象図-r 1989(平成元)年
(賛美小舎:上田國昭・上田克子)
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【インフォメーション】
現在、
ニューオータニ美術館
で12月12日まで開催中の展覧会『第2回 東山魁夷記念 日経日本画大賞展 』と、12月8日から14日までなんば高島屋、12月15日から21日まで京都高島屋で開催の『第9回 21世紀の目展』において、岡村先生の作品が出品されています。お近くにお出かけの際は、ぜひお立ち寄り下さい!
展覧会名
第2回 東山魁夷記念 日経日本画大賞展
会場
ニューオータニ美術館
東京都千代田区紀尾井町4-1 ニューオータニガーデンコート6階
tel:03-3221-4111
http://www.newotani.co.jp/museum/
展覧会名
目-それぞれのかたち 第9回21世紀の目展
会場
会期
時間
なんば高島屋
6階美術画廊
大阪市中央区難波5丁目1番5号
tel:06-6631-1101
http://www.takashimaya.co.jp/osaka/index.html
2004年12月8日(水)〜2004年12月14日(火)
10:00AM〜8:30PM(最終日は4:00PM閉場)
京都高島屋
6階美術画廊
京都市下京区四条通河原町西入真町52番地
tel:075-221-8811
http://www.takashimaya.co.jp/kyoto/index.html
2004年12月15日(水)〜2004年12月21日(火)
10:00AM〜8:00PM(最終日は4:00PM閉場)
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