山本タカト 幻色のぞき窓
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高橋美江 絵地図師・散歩屋
窪島誠一郎「ある若い画家への手紙」−信州の二つの美術館から−
もぐら庵の一期一印
文人閑居して文字に遊ぶ

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今月の写真
都会のまち歩きとは別に、農村部を歩くこともあります。長野県・小布施のカントリー・ウォークでは総勢250名が参加。いつもは人気のない田んぼや果樹園を横切る一団は、さながら民族大移動。拡声器を持つ農業関係者は何をか言わんや〜
イントロ 見慣れた風景の中で宝を発見するには、目線=認識を変えて地域を見ることが必要です。都会を歩いていて発見する宝も沢山ありますが、田舎には、都会とは異なる摩訶不思議で美しいモノが、これまたぎょうさんあります。今回は、長野県・小布施と茨城県・阿見うら谷津で見つけた宝の一部をご紹介します。


新作絵地図 新橋 東京で生まれて育った私は東京が故郷。他人様が「東京は空気が悪くって」とおっしゃいますが、余計なお世話です。生まれながらに都市環境で育った者には、“刷り込み”現象ゆえに、汚い空気も懐かしい味なのです。そんな私が、空気のいい小布施(長野県)の農村部の地図づくりに関わり、たびたび小布施を訪れていますが、この田舎がとても興味深いんです。小布施は北斎や栗菓子、そして花で有名ですが、それに新しいキーワードが加わります…カントリー・ウォーク。田舎歩きですね。ここで見つけた面白いモノをいくつか紹介します。
新橋で しょっぱな「これは何じゃ?」でしょ。写真1は、ビニールハウスを地面に立てる時に使う杭のようなものらしいですが、その錆びた鉄屑。こういうの見ると私ゾクゾクしますね〜。これで何か作れそうじゃありませんか。知り合いに数名のアーティストがいますが、彼らの手にかかればこの鉄屑も美しいアート作品になるでしょう。
新橋で 次に見つけたのが写真2の道具。
ここでクイズ:この道具は何に使うものでしょうか? 道具を持っているこのお兄さんのいでたちから、新種の格闘技?と思いきや…回答はこのページの最後にあります。
 他にもたくさんの面白いメッケモンがありますが、それ以外にも、小布施農村部にはもっと珍しくて貴重なモノがあるんです。でも、それは目に見えにくいモノなんですね。まちや村を歩いていると、最初は珍しいモノに出会い、そこを糸口に徐々にその地域の貴重な宝が見えて来ます。小布施のそれは複雑で大きくて、まだ全貌が見えていません。


新橋TV取材 田舎を全く知らない東京モンが「小布施農村部が何か?」を知るには、他の田舎を見なくては。こむずかしくいうと比較文化人類学とでも言うのでしょうか。
 で、茨城県・阿見うら谷津で9月に行なわれたイベントに参加。その名も「赤米(あかごめ)の花見」。最初、誰しもこの言葉に戸惑いを覚えるのではないでしょうか。でも、現地に行ってここの風景をみれば納得(※「気になる風景《モダンアート編》」に写真あり)。耕作放棄で荒れ果てた地を生き返らせる「うら谷津再生プロジェクト」が進行中で、このイベントもその一環のようです。
 それにしても耕作放棄って寂しい言葉。でも、耕作放棄は田んぼにとっては、とてもいいことだそうです。田んぼが自然に戻され、つまり、豊かな土壌になるってことでしょうか。間違っていたらすみません、中島先生。そうそう、このプロジェクトには茨城大学・農学部の中島紀一先生と、そこの学生さんたちが参加しているのがいいですね。ほかにも地元の聾学校や小学校はじめ、さまざまな人たちが関わっている様子が、部外者である私にも伝わってきます。
新橋で新橋で
 赤米、黒米、羽二重もちの稲の成長を眺めたあとに食べた、赤米のつきたての餅は最高でした。うら谷津の空間をお琴の音が埋め尽くし、おいしい地場の料理に舌鼓をうち、アカデミックな稲の話を聞き、都会人はこういうのにコロリと参ってしまいます。この居心地のよいコロリは……宝なのか?  
 当日の私のメモに「作る人、食べる人が、一緒にワイワイやることが大切」って書いてありました。誰かが言った言葉です。コロリは宝の入口のような気がしました。

クイスの答え:種を植える時に使う道具

 
 


 お散歩途中で私がよく見つけるのがモダン・アート。絵は美術館やギャラリーの中だけにあるんじゃないんですね。都会でも田舎でも、人の匂いのする所にはたくさんのモダン・アートがあります。皆さんも、目線を変えて見慣れた風景をご覧になれば、いくつものモダン・アートを発見することができますよ。
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モダンアート モダンアート モダンアート
解答 解答 解答

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モダンアート モダンアート  
解答 解答


二重人格風景編  9月に「二重人格風景編」というのがありましたが、すでにネタ切れなので、今回新しい「見逃すな注目編」を作りました。どうでもいいんだけど…。で、よ〜く見てよ的な写真を数点揃えました。

いimage
建物のドアに注目
(長野県・小布施町)


ろimage
こんな立体絵馬、始めて
(長野県・小布施町)

はimage
ジョロウグモ 5×10ミリのアート
(長野県・小布施町)


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プロフィール
  プロフィール

高橋美江(絵地図師・散歩屋)


1953年生まれ。東京都出身。生粋の江戸っ子。武蔵野美術大学卒業。高橋デザイン室主宰。東京観光専門学校・儀礼デザイン講師。グラフィックデザイナー、イラストレーターの枠を超え、行政や企業のイベント、商品企画をも手がける異色派。絵地図師として、全国200ヶ所以上の絵地図を制作、その取材で得た経験をもとに、NHK文化センターでまち歩きの講座を3クラス持つ散歩屋でもある。専門は、まちの「ハレ」と「ケ」を見つめる『お散歩民俗学』。

公式サイト: 美江さんサイト http://www.miesan.jp/


【出演情報】
NHK 総合「こんにちは いっと6 けん」11:05AM〜 
美江さんの『とっておき東京便』美江さんの散歩コーナー
10月以降  ●毎月第1水曜日に放送
http://www.nhk.or.jp/shutoken/6ken/

【まち歩き講座】
NHK文化センター青山教室、横浜ランドマーク教室で講座を開催しています。
http://www.nhk-cul.co.jp/


img●高橋美江さんへのインタビュー記事が、
『熟年生活応援マガジン はいから』秋号(vol.47)に掲載されました。右の画像をクリックすると、別ウィンドウで掲載ページを見ることができます。
はいから ウェブサイト:http://www.hi-carat.co.jp/


img●高橋美江さんの記事が、2008年10月3日付の日経新聞文化欄に掲載されました。
右の画像をクリックすると、別ウィンドウで記事を読むことができます。