一休破戒帖
女賊始末
平野 純・著
権力、名誉、己の快楽のために争う戦国時代。
「有」と「無」の中間で「一休み」する、
などこれっぽちの余裕もなく、
血刀を振りかざして鬼となり、
中世の闇を疾走する破戒僧一休。
悟りを啓く前のもがき苦闘する一休がここにいる!
京都を舞台に圧巻のバトル描写! 渾身のエンタメ時代劇!
とにかく一気読み! 読み出したら途中で休むことができず、
「次はどうなる! 次はどうなる! 」って興奮しまくりでした。
芥川賞作家 藤沢周氏 推薦!
【あらすじ】
時は室町時代。禅僧一休は、ある日十七年前に近江で命を救ってくれたお冴と京の郊外で再会する。お冴は盗賊の女首領になっていた。二人はまた逢う約束をするが、彼女は何者かの手によって誘拐されてしまった。京の裏社会を仕切る孫八の手を借りてお冴の操作にのりだすが、彼女の誘拐が最近倶利伽羅峠山中で起きた砂金強奪事件と何らかの関わりがあることが判明。その事件には都の政界の黒幕で夜の女をさらう怪人物・大道豪安の影が。しかもその事件にはまた別の予想外の人物が絡み、事態は思わぬ方向へ。
「人生は頭を抱えることの連続さ。それでも生きてゆかねばならない。いつかすべてが笑いごとになることを信じて」(本文より)
【プロフィール】
平野 純(ひらの・じゅん)
作家・仏教研究家。東京生まれ。東北大学法学部卒業。『日曜日には愛の胡瓜を』で第19回文藝賞を受賞してデビュー。著書『白モクレンの樹の下で』(角川書店)、『上海バビロン』(河出書房新社)、『謎解き般若心経』(河出書房新社)、『村上春樹と仏教I・II』(楽工社)、『怖い仏教』(小学館新書)、『裸の仏教』(芸術新聞社)、『ブッダの毒舌』(芸術新聞社)など多数。