墨 臨時増刊号
「書」を書くための基本ハンドブック
書のみかた<鑑賞篇>
石川九楊・著
本当の書の創作のために不可欠なのが書を見ること=鑑賞。本書は、歴代の書表現の何をどう見るべきかを示す、画期的な《書作のための創作》ガイドです。
【目次】
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1 「書」を見るということ
- 書の表現とは何か/書表現をめぐる諸説/創造的鑑賞
- 2 書の読み解き方 書をときほぐすための33のキーワード
- 重力線/重力の支え方/右側線と左側線/縦画と横画/菱形モデル/重力線の見方/力線/書の大きさ/筆脈/磁場と紙面構成/文字を磨く/筆蝕の深度、速度と角度/起・送・収筆の関係/はね・はらい/転折と交差/点の深さ/補助的横画/筆蝕圧の加減/書のつよさ/書の深さ/筆をどう使うか/日本の書の筆蝕/言葉の音韻と筆蝕/演繹法と帰納法/整斉と参差/表現の逸脱/筆と角度/表現の場としての紙/墨の色/書史の輪郭1:甲骨文・金文から草書の誕生まで/書史の輪郭2:王羲之から清朝碑学派まで
- 3 書作品の見所・見方 歴代書作品の本質に迫る
- チョ遂良・雁塔聖教序/欧陽詢・九成宮醴泉銘/虞世南・孔子廟堂碑/王羲之の書+孫過庭「書譜」/高貞碑/龍門造像記/顔真卿・顔勤礼碑/黄庭堅・松風閣詩巻/蘇軾・黄州寒食詩巻/米フツ・蜀素帖/懐素・自叙帖/黄庭堅・李太白憶旧遊詩巻/明末連綿草 倪元ロ・傅山・黄道周・張瑞図・王鐸/碑学派の書 金農・鄭燮・何紹基・趙之謙/劉ヨウ・裴行倹佚事/その他中国の書/三色紙 寸松庵色紙・継色紙・枡色紙/和様の書 行成・俊成・定家・光悦/三筆 空海・嵯峨天皇・橘逸勢/墨蹟/良寛/副島蒼海/その他日本の書
- 4 書を通して何を学ぶか
- 第二の手論/日本語と中国語/書字が日本文化の中心/書体と文体/書は大衆に支えられる/書の力の低下/筆蝕の喜び/代用文字論
- あとがき
- 書の再生を願って
- 《コラム》
- 複製をどう見るか。/書字原則の相関図/稚拙美?/参考になる図書