墨 臨時増刊号
「書」を書くための基本ハンドブック<入門篇>
石川九楊・著
「書」とは何か、書くとは何かを問い続けてきた書家・石川九楊が、長年にわたる書の教育現場の体験と、書くことの本質に迫る思想をふまえて、初心者・中級者のために新しいメソッドを駆使して、わかりやすく執筆・編集した「書」の書き方事典。その入門篇。
【目次】
- 巻頭言
- 「あなただけの字をつくり上げるために」/石川九楊
-
本書のつかい方
- 1 道具と手本をそろえる
- ■道具と手本のそろえ方
- 紙/筆/墨/硯/文鎮・下敷・筆巻/手本
- 2 まず、いきなり書いてみる
- ■書くための基本形6
- 座り方/墨のすり方/筆のおろし方/筆のもち方/紙の置き方/道具のしまい方
- 3 楷書はこう書く
- ■筆の運び方[筆蝕篇]
- ●筆蝕の原則15
- 横画の起筆/横画の送筆/横画の収筆/縦画の起筆/縦画の送筆/縦画の収筆/はね/左はらい/右はらい/転折/点/補助的な横画/交差/接筆/縦横接筆
- ■形の考え方〔構成篇〕
- ●構成の原則5
- 中心そろえる/左右対称/下部は上部を支える/字画の長さをそろえる/等間隔
- ■形のきめ方〔筆蝕と構成の統合篇〕
- ●筆蝕と構成の統合による原則10
- 正方形に書かない/重心は右下/偏と旁はあける/上大下小の原則/平行にひかない/点は離せ/偏は右側、旁は左側をそろえよ/周辺字間を均等にあける/主横画の傾きをそろえる
- 4 まちがえやすい文字・ブロックの書き方40
- 5 行書を書く
- ■行書の手本を買う/行書とは
- 6 かなを書く
- ■かなの手本を買う/かなの成り立ちを覚える
- ●〔かなの原則〕かなの横画/かなの縦画/かなの回転/まちがえやすいかな文字/連続的に書いてみる(連綿)/変体仮名を覚える/寸松庵色紙から「ちらし書き」を学ぶ/分かち書き
- 7 次への展開のために
- ■墨場必携と書道事典
- ●〔その他の書体〕草書とは/隷書とは/篆書とは
- ■現代の書 近代詩文書・一字書・前衛書
- ■落款と表装
- ●《コラム》書論小片/初心者・中級者の声「私はこう考えた」
- 「いきなり書く」プログラム
- いきなり半紙に四字「大唐三蔵」を書く/半紙に六字「聖教序太宗文」を書く/半紙に七字「月落烏啼霜満天」を書く/条幅(半切)に「雁塔聖教序」を書く/行書(蜀素帖「青松勁挺姿凌」を書く/かなの「いろはに…」を書く/いきなり何かを書いてみよう/楽しみながら何か書こう
- あとがき
- 石川九楊