後藤温子画集 幻像奇譚
原石からわずかに精製できる希少な顔料「ラピスラズリ」を基調とし、その世界観は見る人を不思議な世界へと引き込む。
“夢”という不可思議な現象は
幼い頃からずっと私を魅了し続けている。
絵を描く=夢を見る
これは私の製作テーマのひとつである。
“絵を描く行為は夢をみる現象と同じ”という考えのもと
その中に現れる奇怪な物語や情景を描いている。
どこで見たかも覚えていない風景、いつかのなんともいえない感覚
隠れ潜んでいた形のない願望が、突然夢の中に現れるように
零れ落ちる様々な記憶の断片を拾い集めて繋いでいくように、描く。
また時には、夢のように奇妙で不合理な情景を創り出すために、
支離滅裂な要素を画面に散りばめる。
人はそこに何かあるはずだと思い込み、
それらの点と点を繋げようと想像を膨らませる。
なんの意味もない夢に、意味を見出す夢占いのように。
“絵”は自分自身を映し出す“鏡”
そこに何を見るのか、
その鏡に自身の姿を映し出すことで
また次の夢が始まるー 。 (プロローグより)
【プロフィール】
後藤温子(ごとう・あつこ)
1982年 東京生まれ。東京芸術大学 美術学部 絵画科 油画専攻 卒業/2006。フランス国立パリ美術学校 ( Ecole nationale superieure des Beaux-Arts de Paris) 留学/2007-2008。東京芸術大学大学院 美術研究科 修士課程 油画技法材料専攻 修了/2010
作家webサイト:
http://www.gotsuko.com/作家Twitter:
https://twitter.com/gotsukoo
作家instagram:
https://www.instagram.com/gotsukooo/