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 それぞれ作家も家屋をうまく利用して並べてあり作品も素晴らしいものだった。広い家には三人ほどの作家ものや、狭い家には一人、と緩急つけて飾られている。ほとんど現代美術なので、古い伝統屋敷によくマッチしてお互いが吸収しているかのように見える。また一軒ずつ、のぞいていくと城下町の家々、お店、お寺など、昔の暮らしぶりが想像できる。 
 「これは皆篠山の人たちですか?」と聞くと「そうです。でも一部は神戸などで活躍されている方もいますが、篠山出身やこの地のゆかりの方々たちです」ということだった。よくこれだけ集まったものだ。またボランティアの若い人や年配の人が詳しく説明してくれるが、誰が作者かわからない。また時間をきめて作家たちのギャラリートーク、アートパフォーマンスやワークショップ、コンサートなど、いろんなイベントも日ごと・時間ごとに決められているのも楽しい。この町内には文化財の住宅、お寺、畳屋、古陶館、資料館もあり変化をつけて見られる。今回のイベントは、建築家が総合プロデュースしているそうで、造形作家、写真家、俳人などあらゆる人たちも参加して盛り上げているらしい。篠山〈まちなみアートフェスティバル〉は、皆自分よがりの平凡なものにはしていないのが特にいい。多くの後援・協賛があり、街が一つになっていくのは大変だったろう。多分、来た人は満足しているのではなかろうか。
 出品した作家たちの中には普段、生活のため作りたくないものを作っている人、また美大を出たけど進路に迷っている人、個展をしたいができない人、それぞれに想いはあるだろうが、こうした発表の場があることは非常にいいことだ。そう思いながら見ていると、みな生き生きと自分を表現して、36人が一体となってまとまって見えてくる。
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さぁ昼の1時もすぎると、おなかが減ってきた。食べるところを探したが、この建物群には店が少ない。中にはガレージを開放して手作りの弁当やお菓子、野菜などを出す店もあり、家族でこの日だけの賑わいを楽しんでいるかに見える。やっと見つけた蕎麦屋に入ろうとしたら長蛇の列。こんなに並んでまで食べたいとも思わない。また必ず食べるところがあるはずだと、再び作品見学に歩き出す。いいものを見た後はとくに美味しいものを食べたいものだ。一軒の〈箱ずし〉と書いてある小さな店が目に入った。中に入るとテーブルが4つしかない。客は少なく『普段はこんなに人が来ないので戸惑っている』とでも言わんばかりに、出来上がるのも本当に遅い。「これだけおなかがすいていたら何でも美味しいだろう」と食べたら本当に美味しかった。人通りの多い所なら繁盛していそうな店だ。image

 帰りのバスはお城近くの門前町を通るのだが、車窓から見える人の多いこと。名物の枝豆や野菜を下げたり、肩に植木を抱えたり……。お土産に美味しい枝豆を買って帰りたいところだが、これから3時間もかかるとなると、持って帰るのもつらい。

 バスに揺られながら、「まちなみアートフェスティバル実行委員の皆さん、場所を貸してくれた家主のみなさん、そして芸術家の皆さん、スタッフの皆さん、ボランティアの皆さん、ご協力ありがとう」と、なぜか参加もしていない私が、そんな気分になってしまう秋の一日だった。


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