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もぐら庵のお正月
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 私のお正月も普通の人と何も変わらない。ただ人と違うところは新年の初彫りをしたり、書初めをすることぐらいだろうか。元旦に印刀と墨に触れることは、心が落ち着いてうれしいことである。
 新年の朝、起きると近くの神社へお参りに行く。車で30分。これも40年以上変わらない新年の行事だ。若い時は朝、暗いうちに出かけていたが、だんだん遅くなって朝8時ごろになることもある。元旦の道路はすいていて、空気がきれい。そして清々しい。
三輪神社の鳥居 場所は第二阪奈道路終点「宝来」の北側にある三輪神社。桜井という所に奈良を代表する三輪神社がある。そこは分家になっているが、私が参っている神社は本家。だが本家の方が小さく、社もないのだから、ほとんどの人は大きな分家にお参りに行く。もしかしたら本家がここにあることすら知らないだろう。この神社には社がない。それは台風のせいか火事のせいかわからないが、ただ杉木立の中に簡単な社風な囲いがあるだけだ。そこに板塀を作り、正月の酒などの献上物が飾ってある。ここは蛇の神様を祭っているので、お参りの時はお酒一升と生卵十個を抱えていく。大晦日から境内では、たき火をして参拝者を迎える。お参りの人たちは寒い中、火に当たりながら今年の景気について話したり、社でもらった餅やするめを食べて時を過ごす。

のれんの向こうに囲いがあり、酒や献上物が飾ってある たき火風景
へびの神様 板の神社額。
 当初は元旦のお参りに、決まったところはなかったのだが、探していくうちに道に迷ってこの神社を見つけた。小さくはあるが、お参りした一年は家族が元気で、特に悪いこともなかったので、毎年行くようになった。
おせちの一部 たき火にあたり、体を温かくして帰って来る。それから用意したおせち料理がお膳にのる。元旦の朝一番に水をとり、それを宮水として盃に一杯ずつ、お神酒と一緒におせちの横に並べる。時代が変っておせちも百貨店で注文する人も多くなったのだろうが、まだわが家では手作りが健在だ。こんなとき料理上手な妻と娘には感謝である。一年の区切りにこうして元気に食べられることはありがたい。
 「あけましておめでとうございます」の家族の挨拶が済むと、新酒をあける。宮水をのみ、小さな宴が始まる。呑み進んでいくうちに賀状が届く。賀状を見たり、分けたりしている頃には酔いも回ってウトウトが始まる。正月の昼寝は特に至福である。
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