終の棲 ホームの日々
北沢美代・著
「わたしは、人生の終末に、なぜ家族の介護より、
有料介護老人ホームでの最後を選んだか。」
自分の老後を考えはじめた時、私は家族の介護ではなく老人ホームを選んでいた。それで、取り寄せたカタログを読み、見学し、説明を受け、自分で決めて入所した。
「社会性を持った大きな家族」これはホーム長から聞いた言葉だ。「みんなで頑張れ!」これは九十歳に近いおばあちゃまから聞いた言葉だ。「(介護を)かっこいい」これは新人スタッフから聞いた言葉だ。「人それぞれ、その人らしさに寄り添う介護、その理念がボクは好きだったんです」これは今朝廊下を小走りしていたスタッフの言葉だ。これらの言葉、思いがスタッフと入居者の「ホームの生活」に具現化していった、そう確信して、願っている。