現代かな概説
田宮文平・著
「かな」を書く。
そこにどんな意味があるのか?
日本の美意識の粋、それが「かな」文字。
元来、ちいさく繊細な文字を、掌で愛でるという歴史を経て、戦後、展覧会の隆盛により、壁面芸術として新しい美意識の地平が開かれた。
そして、今……。
「かな」書はどこに向かおうとしているのか、どこに向かうべきなのか。
「現代のかな」の意義を問いかける、田宮文平、渾身の一冊。
本書の内容
序章「近代のかな」の黎明と発展
●第一章 「現代のかな」の展開
総論
尾上柴舟
安東聖空
桑田笹舟
仲田光成(幹一)
内田鶴雲
日比野五鳳
深山龍洞
森田竹華
飯島春敬
千代倉桜舟
杉岡華邨
●第二章「 現代のかな」の周辺
総論
鈴木翠軒
中野越南
殿村藍田
青木香流
中島司有
あとがき
【プロフィール】
田宮文平(たみや・ぶんぺい)
昭和12年、東京都生まれ。書評論家。大東文化大学中国文学科中退。美術書などの編集を経て、近代・現代の書学、書道史、書評論の執筆にとりかかる。父は書家の中台青陵。著書に『吉田苞竹』(西東書房)、『評伝金子鴎亭』(共著、毎日新聞社)、『書/20世紀の巨匠たち』(天来書院)、『昭和二桁世代/現代書家の素顔』(全日本美術新聞社)、『「現代の書」の検証』・『「現代の書」の検証2』(小社刊)などがある。