名印百話
篆刻鑑賞ガイド
河野 隆・著
方寸の世界に宇宙を宿す—篆刻—文墨の伴侶
その理解や鑑賞のための初めての案内書が出来ました!
印の由来や特徴、制作の背景から周辺事情まで、
一印一話のコラムでわかりやすく解説。
璽印・篆刻の魅力を伝える待望の入門書!
璽印・篆刻に興味を持ち始めた人にも、
印のよしあしは今一つわかりにくいという感想をよく耳にします。
一つの印の見どころをやさしく説いて、
理解や鑑賞の手助けとなればと思い、本書をまとめました。
印影を鑑賞しながら、気楽に読んで、
広妙な〈方寸の美〉を探訪していただければ幸いです。
(本書まえがき より抜粋)
本書の内容
【中国古印・倭古印】
◉日庚都萃車馬(戦国古■)◉萬金(秦印)◉金印「漢委奴国王」◉假司馬印(漢印)◉象形印 ◉吉語印◉■伃妾■(漢玉印)◉部曲将印(三国
代銅印)◉晋匈奴率善佰長(西晋代銅印)◉凌江将軍章(将軍印)◉法隆寺印(倭古印)◉行宮尚書省印(金代官署印)◉元押印
【中国篆刻】
◉琴罷肌倚松玩鶴—文彭◉聽鸝深處—何震◉一生愛好—程邃◉意到筆随—蒋仁◉龍尾山房—奚岡◉江流有聲斷岸千尺—鄧石如◉問梅消息—陳鴻寿◉玉琴山房—趙之琛◉我書意造本無法—銭松◉金石長年—胡震◉觀海者難爲水—呉譲之◉湌經養年—趙之謙◉華長好月長圓人長寿—徐三庚◉愛蓮池畔是儂家—呉隠◉平々凡凡—徐新周◉寶蘭亭齋主人—呉昌碩◉■忍死待宣光—羅振玉◉平々凡々—葉銘◉王維季—丁仁◉山水樓—齊白石◉筆圓如錐・杜甫句—王禔◉三長両短之齋—鄧散木◉不鳴
一藝—銭厓◉図象印(釈迦像)—来楚生◉登安七十歳後書—韓登安◉百華齊放—諸樂三◉長寿軒—陳巨来◉孟海—方介堪
【台湾篆刻】
◉青山不老—曾紹杰◉大造于邦—江兆申◉山文心象—呉平
【日本篆刻】
◉曹洞正宗—心越◉孟彪—髙芙蓉◉囂々—池大雅◉奉職餘暇
—小曾根乾堂◉櫻谷—篠田芥津◉以介眉寿—五世濱村蔵六◉寧印—萬代鶴亭◉一枝梅華和雪香—初世中村蘭台◉寸竹居・長
春—西川春洞◉西川元譲長寿—圓山大迂◉獨歩五臺—山田寒山◉平々凡々—岡本椿所◉平平凡凡—益田香遠◉魚雁(肖形印)—富岡鐵齋◉清遠間放—石川蘭八◉平々凡々—山内敬斎◉興到—桑名鐵城◉恬澹—服部畊石◉斜月上松篁—谷聴泉◉楽只・楽只—河井荃廬◉晩香—足達疇邨◉鳶飛魚躍—飯田秀處◉平々凡々—三村竹清◉日永一堂静・艸生三徑深—高畑翠石◉廓然無聖—関野香雲◉破孤悶—北村春歩◉白鷗心—山田正平◉洞門印奴—殿木春洋◉心階静縁—園田湖城◉道法自然—二世中村蘭台◉一笑百印—石井雙石◉八表同昏—松丸東魚◉杉雨—平尾孤往◉宰輔之量—森川二華◉身閒詩有味水靜月無波—坂井呉城◉寄鶴山民—保多孝三◉射不主皮—森田緑山◉千字文—内藤香石◉萬頂山主—田邊齊廬◉寄鶴軒—西川寧◉心静興長—生井子華◉二石齋—青山杉雨◉天骨超俊—藤澤和卿◉明窓淨几—古川悟◉賢者辟世—奥谷九林◉解鈴系鈴—鈴木般山
◉谷翠—伏見冲敬◉杉雨—酒井子遠◉曲肱之樂—吉野松石◉
墨妙—中村淳◉北辰居其所而衆星共之—小林斗盦◉堕甑不顧—梅舒適◉泥牛吼月—菅原石廬
【篆刻拾遺】
◉「印」字の成り立ち◉呉昌碩『西泠印社記』◉印矩(豊道春海所用)—二世中村蘭台刻・西川寧銘◉印稿「意自如」—西川寧・生井子華◉布字「梧十」—小林斗盦
※篆刻資料編1 印泥について
※篆刻資料編2 印材について
【プロフィール】
河野 隆(かわの・たかし)
昭和23年大分県生まれ。横浜国立大学教育学部美術家卒業。生井子華に師事し、篆刻を学ぶ。号、鷹之。
現在、日展会員、読売書法会常任理事、謙慎書道会常任理事、現代書道二十人展メンバー、大東文化大学書道学科教授、国立台湾芸術大学書画芸術学系客座教授、西冷印社名誉社員、晨風会主宰。