フクシマの王子さま
椎根和・著 / 荒井良二・絵
2011年の福島原発事故、1000年に1度の大津波の真相を、10年後の少年少女に伝えるために、用意しておいて下さい。
また、あのとき以来、“モヤモヤ”した気持ちでいるおとなたちの気持ちを癒すために…
2011年3月12日から16日にかけて、東京電力福島第一原子力発電所の水素爆発により、日本国内にばらまかれた大量の放射性物質は、1945年8月6日の広島型原爆の168個分にも相当します。そして爆発した建屋内で雨ざらし状態の使用済み核燃料プールからは、いまも膨大な量の放射性物質が放出されています。
その福島に語り継がれてきた「おとぎ話」を検証しつつ、福島に原発が誘致建設された背景を探り、現実に起きてしまった取り返しのつかない原発事故の推移を見つめながら、ひとりの若い母親が、かけがえのないわが子を育てていこうとする日々を綴っていきます。
【プロフィール】
椎根 和(しいね・やまと)
1942年福島県生まれ。早稲田大学卒業。作家。「婦人生活」「平凡パンチ」「anan」編集部勤務、「週刊平凡」「popeye」編集長、「日刊ゲンダイ」「Hanako」「olive」「COMICアレ!」「relax」などのの創刊編集長として一貫して編集畑を歩く。著書に『popeye物語』『オーラな人々』『平凡パンチの三島由紀夫』などがある。
荒井良二(あらい・りょうじ)
1956年山形県生まれ。日本大学芸術学部卒業。絵本作家、イラストレーター。2005年に日本人として初めて、アストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞。ほか国内での受賞多数。主な著作に『はっぴぃさん』『モケモケ』『あさになったので まどをあけますよ』などがある。