書
―その一筋の道を求めて
三宅相舟・著
これからの「書」の歩むべき道を深く示唆する、
書に携わるすべての方、必読の一冊。
「書」の道は、浅きに似て深く、易きに似て難し──。
半生をかな書道に捧げた筆者の綴るエッセイは、書技法のエッセンスと、書道史を軽妙に描き出すとともに、これからの「書」の歩むべき道を、深く示唆する。
書に携わるすべての方、必読の一冊。
【目次】
- まえがき
- 本書の刊行を祝して
神作光一(東洋大学名誉教授/日本歌人クラブ顧問)
- 第一章 学問としての書
- 第二章 書論を学ぶ
- 「骨勢」と「媚趣」
- 「天然」と「工夫」
- 「淹留」という筆法
- 書は彫るもの
- 触感覚
- 『書譜』の思想性
- 『才葉抄』に学ぶ
- 書の真相とは
- 会津八一の書相
- 書は芸術か、否、文化か?
- 書の芸術性について―「芸術のための芸術」と書
- 文房四宝の話―筆を思う
- 小字仮名の時間
- 俳画と仮名書
- 文人の意識
- かな書の流れと魅力
- 明治以後の書教育の流れ
- 書教育の危機
- 漱石に思う
- 仮名書道の現代的使命
- 第三章 書を学ぶ姿勢
- 「印象臨書」について考える
- 正路に従う
- 臨書と温故知新
- 温故なくして知新なし
- 先人たちの学び方
- 一寸、ひと息
- 師弟の絆
- 古筆を大切に学ぼう
- 「稽古」とは
- 上達のための条件
- 仮名の学習に不可欠なもの
- 展覧会の「意義」と「意味」
- 熟書と生書
- 理由なんか要らぬ
- 所要時間書を学ぶ若人への想い
- 第四章 書のある生き方
- 情性の書、天然の書
- 『徒然草』の教え
- 数学者・岡潔に学ぶ
- 「たしなみ」の意味
- 「教養」の意味
- 禅師の御教え―まっすぐに生きる
- 林武という人
- まじめたれ
- 不易と流行
- 即応と熟成
- ふるさとを守る
- ホンモノを志向して生きる
- 歴史を教えよ、歴史に学べよ
- 学と技―二人三脚
- 授業が教師の生命線
- 知得することの意味
- 人柄
- 敬称
- 文字は生きている
- 手紙を手書きしよう
- 添文
- 賀状は毛筆で
- トーナメントプロでありたい
- 作家の使命―今を書く
- 心の流れ
- ある書展から
- きれい過ぎずに美しい書
- 第五章 十余年の軌跡
- 生い立ちの一頁―父とのこと
- 左手書きを矯正してくれた恩師
- 一筋の光
- 旅の収穫
- 旅の記録の一節
- 詩歌との共生
- 優美なかな書を後進へ
- 古都への憧憬
- 古都の思い出を辿る
- 胸熱き仕事を終えて
- 百基の石碑
- 新春の銀座は書で埋まる
- 春敬先生からの恩沢
- 座右の銘
- また明日の書をめざして
- あとがき 三宅相舟
【プロフィール】
三宅相舟(みやけ・そうしゅう)
1945年、広島県生まれ。大東文化大学文学部中国文学科卒業。広島県立世羅高等学校教諭、広島県立北陽高等学校教諭を経て、プロの書道家となる。
書道結社「相峻会」を立ち上げ、門人の指導・育成にあたる。平成4~8年の間、福山大学非常勤講師。桑田笹舟、その後桑田三舟先生に師事す。読売書法会理事・審査員。日展会友(入選17回)。平成8年4月、東洋大学文学部日本文学文化学科(旧国文科)教授。大東文化大学非常勤講師。学習院大学非常勤講師。
平成9年、読売書法会・笹波会を去る。平成10年、第50回記念毎日書道展に門人と共に出品参加す。平成21年、第10回三宅相舟書作展「相舟のかな」(於・銀座セントラル美術館)開催。同展の評価により毎日書道顕彰〈芸術部門〉受章。平成18年より、郵政公社(現・日本郵便)発行「ふみの日記念切手」の監修ならびに揮毫を努める。以後、今日に至る。
現在、(財)毎日書道会・事業企画委員、評議員。