書の世界 常識と非常識
堀 久夫・著
8年にわたる書の評論連載『常識と非常識』。
『墨』に掲載された全46回を一堂に収録。
『書の世界で常識と考えられていることも多いのだが、その根拠が何かというとはっきりしないことが多い。もしかすると、この「常識」はまったくの「非常識」かもしれない。このギャップについて、書を愛する人は自分で考えていかなければならない。それが求心力を失おうとしている書の世界を立て直す、唯一の道かもしれない。』 本書「まえがき」より抜粋
【本書のおもな内容】
- 上手・下手というけれど、何を基準にしているの……?
- 上手な「見た目・きれい」だけでは、書としての魅力はほとんどない。
- 『創作』という言葉のもとに似た作品が並ぶ書展の現実を問題にしたい。
- 「師範」になった。でも、作品はつくれない。人に教える自信もない。
- 「書作品らしければそれでよい」この概念を払拭しなければ!
- 書作品に大切な潤渇だが定石などは絶対にない。
- インテリアとして売れてもお手軽の書はウンザリだ。
【プロフィール】
堀 久夫(ほり・ひさお)
1946 年、東京都生まれ。小学生の頃より書に親しむ。故・伊賀上翠峯に学ぶ。早稲田大学第一文学部哲学専攻卒業。現在、墨翠会会長、(社)日本書動員・理事・一科審査会員、(社)全日本書道連盟会員、書評論など発表中。主な著書:『毛筆で書く「名前」から「手紙」まで』(芸術新聞社)、『21 世紀・書の世界は変わった?』(木耳社)など多数。